『夜、うつくしい魂は涕いて 中原中也14の歌』制作のはなし③

アルバムの録音は、2017年6月、山中湖のスタジオで行われました。
ヴァイオリン 藤田有希さん、クラリネット/バスクラリネット 鈴木生子さんのお二人が参加してくださいました。
有希さんとは、知り合いがピアニストを務めていたコンサートで演奏を聴いたのが最初でした。その音色に一瞬で取り込まれ、すぐに声をかけて一緒に演奏する機会をもらいました。何度か本番をご一緒させていただき、その多彩な表現と、耳の良さには毎回驚かされました。
生子さんは、やはりコンサートでたまたま演奏を聴く機会があり、そのときは宮澤賢治の詩など朗読と一本のバスクラリネットでパフォーマンスされていて、とても面白く素晴らしかったので、同じく声をかけさせていただき、そのあと蔵でのコンサートを一緒にやらせていただいたりしました。
多忙なお二人ですので、録音前日に初顔合わせ、初音出しという状態でしたが、全てがスムーズに進み、良い状態で録音にのぞむことができました。
ひとつアクシデントは、この前日リハに行くときに、自宅の階段でこけて足を捻挫したことです、、、。そのあと山中湖の整形外科に行き、ギプスと松葉杖をし、スタジオ内の移動は台車に乗って押してもらったのは良い思い出です。
録音は三日間行いました。今回、譜面に書かれた部分と、やりながら音決めしていく部分もかなりありましたし、楽曲も14曲ということで、余裕をもって三日間のスケジュールを立てました。素晴らしい環境にも助けられ、時間に追われることもなく、ぴったり三日目の夕方に全曲を録り終えました。
もう2年も前のことですけれど、この録音のときのことは忘れません。なんか、いろいろなことが奇跡的にうまく運んでこの録音をさせてもらえたなぁと、今でも不思議に思います。それはもう有希さん、生子さん、エンジニアの谷澤さん、アシスタントのえみちゃん、それからピアノ技術の三矢さん、皆さんの素晴らしい仕事のおかげです。そう考えると、いろいろな方の思いも同時に詰まっているアルバムなので、これから大事に育てていきたいです。
レコーディングでの良い思い出は、みんなで毎晩食卓を囲んだことです。スタジオオーナーの渡邊さんの創作料理にも舌鼓!幸せな時間でした。
本当に、感謝しかありません。

こうして、ようやく音を皆さまに届けられることは感慨深いです。ぜひ聴いていただきたいです。











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