CDエピソード①

先日のコンサートでは、前半たくさんお喋りをしました。
久しぶりのコンサートということと、初めて来てくださるお客様もたくさんいらっしゃったので、CDのことやこれまでの活動のことなど、取りとめもなくいろいろとお話させていただきました。

コンサートの中でもお話しましたが、今回のCDを発表するまでの経緯は3年前に遡ります。
正確には、クラリネットの新實紗季さんと出会ってからのことですからもう少し前になりますが。
2010年に行った自主企画の朗読公演で「智恵子抄」を取り上げることになり、そのときに音楽の編成は真っ先にピアノとクラリネットだ、と頭に浮かびました。
その少し前に新實さんの演奏を聴いていて、素晴らしい、一緒に何かやりたい、と思っていたので、「智恵子抄」だったらできると直感しました。

新實さんはクラシック一辺倒の人なので、まず音に対しての集中度がものすごく高いです。
そして私の音楽をどのように演奏したら良いか、一から考えてくれて、また私の意向を実に正確に汲み取ってくれます。
こういうことは分析力、構築力、さらに柔軟性がないとできないことです。

録音も二人で試行錯誤し、格闘し、とても大変でしたが、出来上がった音を聴いたときに、新實さんの音がまるで自分が演奏しているかのように自然に感じられて、驚きました。

今回新實さんと録音に取り組んでみて、たった一人で完結するよりも、共演者と共有しながら自分の作品に向き合うということは、非常に意味のあることだと思いました。

素晴らしい共演者に恵まれ、本当にありがたいです。

彼女とはまだ一緒に取り組みたい作品があるので、これからもよろしくお付き合いいただければと・・・。

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